霍香の徹底解説

霍香は漢方では藿香正気散(かっこうしょうきさん)・香砂六君子湯(こうしゃりっくんしとう)などに使われています。

藿香正気散は夏の感冒、暑さによる食欲不振、下痢、全身倦怠などに有効です。冷たいものや生ものを食べすぎる事による内側からの胃腸の冷え、エアコンの冷気や扇風機に当たり過ぎによる外側からの冷えによる不調に藿香正気散を使います。

漢方名に生薬の名前が入るほど藿香正気散には欠かせない生薬なのです。

もう一つ藿香が配合されている漢方として香砂六君子湯 があります。

香砂六君子湯の元となる六君子湯は胃腸の機能を高め、消化管の余分な水分を除くことで胃腸の働きが弱く元気が出ない方の体質改善薬として使われています。

この六君子湯に香附子・縮砂・藿香の3生薬を加えたのが香砂六君子湯です。

ここに出てきました藿香ですが何の為に加えるかと言いますと「香りにより気の巡りを改善し、より消化管の余分な水分を除く」のが目的です。六君子湯のグレードアップバージョンです。

わかりやすく言うと六君子湯が合いそうな胃腸が弱くて元気が出ないタイプの方で「気の巡りが悪くて、気分が沈んだり、塞がったり、情緒不安定の時」などに使われます。

ストレスが多い方で胃腸虚弱の方には六君子湯よりも藿香が含まれる香砂六君子湯の方が良いでしょう。

こうしてみると藿香は藿香正気散・香砂六君子湯のように胃腸薬に分類されるお薬に配合されてることがわかります。他にも香砂平胃散、丁香柿蒂湯にも含まれますが、この2つも胃腸薬です。藿香の香りにより胃腸の気を巡らせ胃腸の働きを正常にしてくれるのが藿香のお仕事です。

解説協力 愛媛四国中央市 鈴木薬局 http://www.suzuki-sizenyaku.com/