沈香の徹底解説

沈香はお香では一般的に使われますが、漢方の世界ではほぼ「気付け薬」にのみ配合されています。

徳島県藍住に江戸時代から伝わる和漢薬「敬震丹(けいしんたん)」にも使われています。

敬震丹はストレスにより「気」を巡らなくなり起こるストレス性の動機、息切れ、消化不良に用います。江戸時代後期よりストレス性の様々な症状を改善するのに使われ現代まで引き継がれています。これだけストレス社会と言われる現代人の方が昔の人よりも敬震丹が役に立つ方が沢山いると思います。

現代まで残る漢方は本当に良く効く処方しか残っていません。中途半端なお薬は全て自然淘汰されて消えてしまっています。

また沈香が含まれる有名なお薬ですと夜泣き・疳の虫の「樋屋奇応丸(ひやきおうがん)」。「ひや・きお~がん」のCMは西日本の方なら1度は耳にした事があると思います。

実際に樋屋奇応丸というとほとんどの人がこの歌を口ずさんでくれます。「赤ちゃんの薬でしょ?」と思われてる事が多いですが、分量は赤ちゃんでも飲める量なだけで、配合生薬は大人でも使える非常によく出来たお薬なのです。

子供の「疳の虫」とは、成長に伴っての急な不安や、思い通りにならない欲求不満からストレスがたまり、カンが高まり、夜泣き、情緒不安定などの心身のさまざまな症状の事を言います。

これは実は大人でも起こっていて、急な不安や、思い通りにならない欲求不満からストレスがたまり、イライラしたり、不眠、情緒不安定などの心身の様々な症状。

これが言うてみるなら大人の「疳の虫」です。ですから、このような症状の大人も樋屋奇応丸を飲んでも全然良いわけです。大人には一般的には先ほど紹介しました敬震丹を使います。

また、沈香には気を巡らす事で体を温め、痛みや吐き気を抑えたり、喘息を治す作用があります。

解説協力 愛媛四国中央市 鈴木薬局 http://www.suzuki-sizenyaku.com/