医香同源
お香の原材料は漢方薬の原料と同じである為、古来では生薬を焚くことにより鼻から取り入れる技法もあったそうです。
この技術は中国で栄え、鑑真和尚により日本へ伝わってきました。
香り=健康でもあった為、当時は医香同源という言葉もあったそうです。
今回は、香りと漢方薬と経穴(ツボ)の関連性のお話をします。
四気五味と帰経
中国の薬物学書籍である(神農本草経)には、薬には酸・鹹・甘・苦・辛の五味があり、また寒・熱・温・涼の四気があると書かれています。
薬物ごとにすべて四気五味は異なります。
四気とは(温・涼・寒・熱)
五味とは(酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味)
となります。
帰経とは、生薬や食材が身体のどの部分に影響があるかを示したものです。
そして帰経は経絡・五味は経穴(ツボ)・四気は治療法にて応用ができます。
経絡は五臓六腑と関連する体表のルートであり、実は漢方薬の効果は経穴(ツボ)刺激でも再現できます。
また、人はその日の体調により鼻の感度(香りの好き嫌い)も変わることや、お香の原材料が生薬であることから、お香の各原材料の香りを嗅ぐことにより、その日に最も好ましい香りから効果がありそうなツボを解説します。
白檀が好きな方に効きそうなツボ
薬学からの白檀の解説です。
辛し、温にして毒なし
陽中の微陰であって、手の太陰に入り、陽明の経を通行する。
白井光太郎監:『國譯 本草綱目』、春陽堂、昭和9年
※『本草綱目』は1596年、明代に李時珍が著した中国本草学史上最も充実した書。
[性味]辛、温
[帰経]脾・胃・肺
[効能と応用]①行気止痛 ②温胃止嘔
神戸中医学研究会編:『中医臨床のための中薬学』第1版第9刷、医歯薬出版株式会社、2006
※知識と経験からの憶測にはなります。
弘法大師とお灸
また、香川県出身の(空海)もお香だけでなく、お灸も広めた人物です。
弘法大師はこの様な言葉を広めたと伝わっています。
(灸は身を焼くものにあらず 心に灯りをともすものなり)
※お灸は(ヒトの病や不健康をとり去り、すこやかでなごやかにするもの)
お香とお灸は古来から密接な関係にありそうですね。