異性を魅了するお香 惚線香

よく漫画や小説では、飲ませることにより意中の相手を思うようにできる惚れ薬が存在します。

江戸時代には、焚くことにより性的興奮を促進させる効力がある惚線香という御香が流行った記録があります。

惚線香とは

別名(女乱香)(紅毛馨香)(唐線香)(操守香)(羅連香)とも呼びます。

基本的には、寝室にて性的興奮を促進させる使い方です。

羅連香は(香の香りを嗅げばこらえられなくなる)ということから(こらえられん)ということが名前の由来にもなっているそうです。

【閨中紀聞枕文庫】

この御香の調合法は、【閨中紀聞枕文庫】(嗅て女の心を乱す薬)によれば

丁子一匁・甘松一匁・紫梢花八分・白檀二匁・五八霜二匁・麝香六匁・龍脳八分海狗肝八分・右九味・粉末にして煉蜜にてねり、土器に入、地に埋。七日ほどへてとり出し、香気ぬけざるやうに貯おき、女に対して何気なく焚べし。女自然に上気する。其とき抱き付べし】

と記述があります。

本当に効果があるのかどかは分かりませんが、原材料の中の丁子・麝香は古代インドでは媚薬や強精剤の処方に用いられてきた原料ではあります。

秘薬 麝香

実際に媚薬的効果が最も強いと云われているのが、中国シベリア地方に生息する麝香鹿の雄の分泌物である麝香です。

麝香の歴史は古く、古代インド医学【アーユル・ベーダ】にも薬の原材料として記載されています。

古来より、薬として、媚薬として、香水としてあらゆる用途で使用されてきた麝香は、かの有名な世界三大美女のクレオパトラと楊貴妃も麝香を非常に好み、異性を引き付ける為に使用していたそうです。