悪臭とは
悪臭とは、不快感を与える匂いのことを指します。
しかし匂いの不快感は人により異なります。
バナナ・リンゴ・イチゴなどは共通として不快な香りと感じる方は少ないと思いますが、人の体臭やガソリンの匂いなどは、同じ香りでも好き嫌いが大きく分かれます。
また人は脳の仕組み上、記憶と香りが密接に関係しているので、記憶や感情が香りと結び付くことにより不快を感じることもあります。
それでは匂いを不快と感じた時は、人体にはどのような影響を与えているのでしょうか。
香りと不快感とストレスの関係
東京大学大学院農学生命科学研究科の東原和成教授らの研究グループは、人が悪臭を嗅いだ時に交感神経系のストレス応答を起こすことを示しました。
この研究によると、悪臭防止法で定められている悪臭を被験者に嗅がせてどのような反応になるか調べたところ、不快感の高い悪臭は、交感神経系に関わるストレス応答のマーカーである唾液中のa-アミラーゼの分泌量を増加させたそうです。
しかし同じ悪臭の匂いを嗅ぐ場合でも、バニラの匂いを混ぜて香りの不快感を下げた状態で実験を行うと、ストレス応答の上昇を抑えることも明らかになったそうです。
つまり、不快感を与える香り分子が多い香りに対して、被験者が好ましい香り分子を加えて嗅がせるとストレスを抑えることができるということになります。
香りの上書きができるということですね。
お香(お線香)は、原料の生薬にリラックス作用がある為か、古来より人を癒す力があると云われています。
しかし、香りを感じる側がその香りを好ましいと感じず、不快に思ってしまうとストレスになってしまう可能性があるということです。
人は年齢・性別・性格・人生経験により香りの趣向は変わってしましますが、商品(お香)の使用者を出来るだけ具体的にイメージをして、その方々が良いと思う香りを、まず第一条件として調合しなければならないということですね。